製品用途
珪藻土製品は、多くの分野でご利用頂いており、代表的なご利用方法である濾過助剤(ろ過助剤)、建材、フィラー(充填材)についてのご利用方法と、特性についてHPにおいて紹介致します。
濾過助剤としての使用方法
珪藻土濾過助剤を用いたケーク濾過方式は、1μm程度以上の固体を分離・除去する濾過工程において、膜濾過など他の濾過方法に比べ、経済合理性の高い濾過を行う事ができます。ケーク濾過方式での濾過助剤の役割は、濾過抵抗を低減させることによる濾過時間の延長、濾材の目詰まり防止、濾液の清澄度向上などになります。濾過助剤用の濾材は、ろ布、ろ紙、金属ろ材(金網、ウェッジワイヤースクリーンなど)などが使用されています
濾過助剤の使用方法は以下に詳細説明の「プリコート」、「ボディフィード」の2つの方法によります。
なお、具体的にご使用される分野は、食品業界や製薬業界などから、プロセス濾過が中心の化学工業分野など、幅広い分野となります。
一般的な珪藻土濾過方法
A)プリコート
ろ材に濾過助剤を張り付けて濾過助剤の層を形成させる方法を「プリコート」と呼びます。
ろ材の空隙よりも細かい濾過助剤の空隙を構成することで、濾材からの懸濁物質の漏れを防止、濾材の目詰まり防止、濾過の初期から清澄な濾液を得ることができます。
B) ボディフィード
原液に濾過助剤を直接添加して濾過する方法を「ボディフィード」と呼びます。濾過進行により、懸濁物質とともにボディフィードの濾過助剤もプリコート層にて捕捉され、ケーク層を形成します。
そのケークにて珪藻土濾過助剤の空隙が流体の経路を確保し、更に濾過が進行するため、速い濾過速度を維持したまま、長時間の濾過操作を行う事ができます。
お客様の濾過条件(懸濁物質の粒径、温度、圧力など)により、選定する濾過助剤のグレードが異なります。
当社は糖類などの粘度の高い濾液から、プールなどの透視度の高い濾液までの広範囲の原液に対応できる濾過助剤をラインナップしております。
濾過助剤ラインナップ
当社が公表している製品は基準となる一部のものとなります。お客様の濾過条件にあわせて提案させて頂きますので、お気軽に問い合せ下さい。
濾過助剤向けグレード(ラヂオライトシリーズ) | ||||||
品名 | 色調 | 真比重 | pH | ケーク嵩密度 (g/cm3) |
平均粒子径 (µm) |
透過率 (Darcy) |
スペシャルフロー | 淡赤褐色 | 2.2 | 5.0-10 | 0.35 | 12.7 | 0.11 |
#700 | 白色 | 2.2 | 8.0-11.0 | 0.35 | 30.3 | 1.68 |
#900 | 白色 | 2.2 | 8.0-11.0 | 0.33 | 34.3 | 3.29 |
#3000 | 白色 | 2.2 | 8.0-11.0 | 0.33(タッピング) | 114.2 | 22.21 |
建材・充填材(フィラー)としての使用方法
建材・充填材(フィラー)としてのご利用は、お客様において完成品の原材料の1つとして採用される使用方法となります。
建材用途
和室をはじめとした、壁材の仕上材の1つである珪藻土壁の原料としてお使い頂いております。風合いのある仕上げができる事による採用とともに、健康志向の高まりから、天然素材である事も採用頂く理由となっています。
また、ケイカル板など耐火断熱材のシリカ源や軽量化を目的とした使用も広くご使用頂いております。
充填材(フィラー)用途
無機鉱物由来である珪藻土製品の特長を活かし、合成樹脂や塗料などへの充填材としてご使用頂いています。 その特徴の一部を紹介いたします。
高い白色度
当社で製造する珪藻土製品には特に白色度の高いものがございます。珪藻土は昔から天然素材の壁材として慣れ親しんだ素材であり、壁材にてご使用頂くには、それぞれの商品に合った色調の調整が必要です。そのため、色調調整がしやすい白色の珪藻土が壁材や壁紙に利用されています。
熱に強い
珪藻土製品は熱に強い素材です。この特性は例えば鋳物の製造時に発揮されます。鋳物は型に鉄を流し込む製法ですが、そのまま流し込むと鋳物の型と鉄がくっついてしまいます。また、流し込む鉄は高温ですので、その温度に耐える必要があります。そのような時に珪藻土製品を鋳物の型に塗布しておくことで、鋳物が型から簡単に外すことができます。
表面に凹凸をつける
粒径の小さな珪藻土製品を塗料に用いると、珪藻土製品の粒子が塗装表面を盛り上げることで凹凸をつけることができます。この作用により出来上がった表面は光の反射を抑えて艶を消す効果を発揮します。また、珪藻土微粒子をフィルムに添加することにより、フィルム表面を凸凹にすることができ、通常であれば静電気によりお互いが剥がれにくくなるところを剥がれやすくする効果が生まれます。
薬剤に不活性
珪藻土製品はシリカを主成分とした薬剤と反応しにくい素材です。その為、農薬の担持体として使用しても薬剤と反応する心配がありません。また、農薬(水和粉剤)に使用することで珪藻土製品は薬剤の固化防止・流動性の向上・分散性の向上といった更なる効果も発揮します。
■お客様のご検討目的に応じて幅広い提案、ラインナップがございます。お気軽に問い合せ下さい。
充填材向けグレード(ゼムライトスーパーシリーズ) | ||||||
品名 | 色調 | pH | 45μm篩残分 (%) |
嵩密度 (g/cm3) |
平均粒子径 (µm) |
吸油量 (ml/100g) |
3 | 白色 | 8.0-10 | 0.2 | 0.40(タッピング) | 9.5 | 130 |
3F | 白色 | 8.0-10 | 3.5 | 0.15(ルース) | 17.8 | 200 |
珪藻土製品のその他の特徴
液体を保持する。
珪藻土製品は粒子の間に多数の空隙があります。この効果は工場などの水や油で汚れた床の掃除に役立てられています。珪藻土製品を掃除したい部分に散布すると、液体は珪藻土同士の空隙の中に保持されます。珪藻土製品に吸着させた液体は固体として扱うことができ、掃除が簡単になります。
柔らかさを保つ
珪藻土製品はシリカを主成分としており、薬剤と反応しにくい素材です。この効果は油粘土で発揮されます。油粘土は時間の経過とともに油がなくなってしまいます。珪藻土製品はこの油と反応することなく、空隙に油分を保持することにより、粘土の柔らかさを保つ役割を果たしています。
熱をつたえない
珪藻土製品は昔から断熱材用途で使用されてきました。この効果は珪藻土が多孔質であることから生まれており、その効果により熱伝導率が低い素材となっています。この効果は昔から知られており、七輪や塗り壁材といったものとして親しまれています。